全然堂歳時記 秋の部
【松手入】まつていれ
町の名の古風に長し松手入
※古風=こふう
お屋敷の音にこそ聞け松手入
※屋敷=やしき
二三日切られの松の松手入
松手入松の緑を滴らす
※滴らす=したたらす
切る音も切らるる音も松手入
手入良き鋏なるべし松手入
※鋏=はさみ
けふは城あすは図書館松手入
その跡を巫女の掃きをる松手入
※巫女=みこ、掃き=はき
もれ出づる月の光や松手入
池に雨松の手入も済みたるよ
空襲を知る人もなし松手入
以上です