全然堂歳時記 秋の部
【草の花】くさのはな
この牛は肉になる牛草の花
細道の人に踏まるな草の花
黄が咲けば紫もあり草の花
草の花小さな蝶の来りけり
※蝶=ちょう
草の花小さく小さく実を結ぶ
草の花やがて草の実草の種
いくたびも種に戻りて草の花
濁流の川に危し草の花
※濁流=だくりゅう、危し=あやうし
陶片のこれは全き草の花
※陶片=とうへん
星ひとつ空を零るる草の花
※零るる=こぼるる
喉仏なき野仏の草の花
※喉仏=のどぼとけ、野仏=のぼとけ
以上です