ペアリング4 電話みな番号を持ち星祭 山口優夢

追記:生前の冬/2018.10.13、家路2句/2018.9.28、けふの月/2018.9.27、1ペア転記/2018.9.4、1ペア転記/2018.9.3、3句追加と1句改/2018.1.27、1句追加/2017.11.20

ペアリング4

好対照の俳句を集めました
相乗効果をお楽しみください

◎先駆と希釈

続き咲く花に初花紛れゆく  中本真人
  ※紛れ=まぎれ

見初みそむると日々にちょうみる旅路かな  炭太祇

初蝶の死してそれより蝶の春  鈴木鷹夫

けふの月あしたの月や日々の月  ハードエッジ

ある朝のもずききしより日々の鵙  安住敦

生前の冬に紛るる死後の冬  宇多喜代子

初雪を人が踏み人々が踏む  鈴木牛後(ぎゅうご)

 

 

◎胸より

仏教国蜻蛉胸より足出づる  大石雄鬼(ゆうき)
  蜻蛉=とんぼ

蟷螂の斧は胸より出てをりぬ  青葉三角草(さんかくそう)
  ※蟷螂=とうろう=かまきり

 

 

◎家路

春の暮家路いえじに遠き人ばかり  与謝蕪村(よさ・ぶそん)

つぎつぎに春の灯ともる家路かな  鶴岡加苗

どの道も家路とおもふげんげかな  田中裕明    ひろあき

うかと出て家路に遠きおどりかな  黒柳召波くろやなぎ しょうは

神々も家路を急ぐ寒夕焼  ハードエッジ
  ※改訂:夕焼かな→寒夕焼

ねぎさげて家路の人となりにけり  ハードエッジ

 

 

◎夕暮の歌

夕焼に誰か故郷こきょうを思はざる  ハードエッジ
  →霧島昇「誰か故郷を想はざる」/ut

鉄道草赤い夕日に照らされて  川崎展宏(てんこう)
  →「戦友」/ut

 

 

◎故郷

春の月本籍ほんせきはまだふるさとに  大串章

ふるさとに墓あるばかり盆の月  鈴木花蓑(はなみの)

 

 

◎調味料汚染

鳥帰る汚れし醤油差しょうゆさしひとつ  友岡子郷(しきょう)

ソースびん汚れて立てる野分のわきかな  波多野爽波(そうは)

 

 

◎ペアリング!

このかぎじょうひとつあく星の秋  池田澄子

電話みな番号を持ち星祭  山口優夢(ゆうむ)

菜箸さいばしは糸でつながり星祭  金子敦(あつし)

 

以上です