ペア71
◎小石混り
秋雨や小石まじりの蜆漁 小川軽舟
湖の小石まじりし寒蜆 長谷川櫂
◎住めば都
今はもう住めば都の桜かな ハードエッジ
住めば都花の名所とあらねども 石塚友二
たんだすめ住めば都ぞ今日の月 松尾芭蕉
時雨るるや住めば都の街並に 岩田由美
◎月と地球
水の地球すこし離れて春の月 正木ゆう子
地球凍てぬ月光之を照しけり 高濱虚子
◎ゆら、くら
室内プールの水面ゆらめく窓枠も 村越敦
カーテンに障子の桟の影くねり 高濱虚子
◎自分の位置
衆の中にわれあり子とあり夾竹桃 磯貝碧蹄館
われわれのなかにわれあり鳥わたる 加藤静夫
虫の音や私も入れて私たち 野口る理
◎邪魔
朝顔に釣瓶とられてもらひ水 加賀千代女
※「朝顔や」の別takeあるけど、、、
行水のすて所なき虫の声 上島鬼貫
◎餅様
一枚の餅のごとくに雪残る 川端茅舎
やはらかき餅の如くに冬日かな 高濱虚子
◎頼りなし
短日やたのみもかけずのむくすり 中村伸郎
初暦頼みもかけず掛けにけり 高濱虚子
◎交通情報
さみだれや船がおくるる電話など 中村汀女
欠航といふも冬めくもののうち 高野素十
◎来る来ない
賀状うづたかしかのひとよりは来ず 桂信子
あまた来しなか黄泉よりの一賀状 福永耕二
以上です