角川俳句賞2025 落選供養 プランA 雛壇の段差に頑と身分の差

角川俳句賞 2025
プランA「均等割」50句

落選作

◎葉書俳句

 

◎テキスト

日本語といふOSのあたたかし ハードエッジ

ながき日のタンカーはまだペルシャわん ハードエッジ

シンバルがバーンと鳴つてかんけ ハードエッジ

新刊のなき古書店に春の雪 ハードエッジ

春の野に手をつてやる電車し ハードエッジ

電柱はすらりと高し春燈はるともし ハードエッジ

雛壇ひなだん段差だんさがん身分みぶんの差 ハードエッジ

入学の教室のみなみずしらず ハードエッジ

さえずりのこぞりてはやす夜明かな ハードエッジ

縦書たてがき均等割きんとうわりすずしけれ ハードエッジ

山火事のせまりつつある大瀑布だいばくふ ハードエッジ

聞き流す毀誉褒貶きよほうへん冷奴ひややっこ ハードエッジ

半袖はんそで炊事すいじ洗濯せんたく掃除そうじかな ハードエッジ

砂日傘すなひがさ大きく開く日影ひかげかな ハードエッジ

冷房のビル、家、車、広島よ ハードエッジ

からまつてほたる軌跡きせきやみゆ ハードエッジ

かりそめのさばいわしや秋の空 ハードエッジ

ミサイルのいまはつゆけき地下サイロ ハードエッジ

少しづつ雨に流るる秋の山 ハードエッジ

穭田ひつじたの希望の色の短かけれ ハードエッジ

息合いきおうて水、竹、石の添水そうず鳴る ハードエッジ

蟷螂とうろうかたき目玉とやわな腹 ハードエッジ

新旧の色をたがへてもずにえ ハードエッジ

さとは丸く山は長しよいもの秋 ハードエッジ

シャクシャクと石細胞せきさいぼうなしかじる ハードエッジ

渋柿しぶがきじゅくせばおつ朱色しゅいろかな ハードエッジ

惜気おしげなくくりつぶしてゐたりけり ハードエッジ

大寒だいかんの地下深くくマグマかな ハードエッジ

北風が寒しさびしと戸をたたく ハードエッジ

寒晴かんばれ解体かいたいの家つまびらか ハードエッジ

長き長き雪の列車よユーラシア ハードエッジ

羽搏はばたかぬ想像力と日向ひなたぼこ ハードエッジ

みんな家中うちじゅう電気で動く冬籠ふゆごもり ハードエッジ

豆腐とうふてて大豆だいずの色にもどりけり ハードエッジ

芭蕉忌ばしょうきのプロモーションの時雨しぐれかな ハードエッジ

鴛鴦おしどりあたたかさうなあしの色 ハードエッジ

げたてのカラリ片仮名かたかなカキフライ ハードエッジ

冬眠とうみんかなはぬ鳥は庭によ ハードエッジ

雑草ざっそうえてはるる植木鉢うえきばち ハードエッジ

本堂も仏も枯れて村ほろぶ ハードエッジ

年末

年の瀬のなわひも、コード、糸、テープ ハードエッジ

ハシゴダカもPCまか賀状がじょう書く ハードエッジ

針はひかり糸はよろこび春著はるぎふ ハードエッジ

新年

去年こぞの砂くるり今年の砂時計 ハードエッジ

新年の石もて開く氷面鏡ひもかがみ ハードエッジ

初茜はつあかね関東平野ひらべつた ハードエッジ

初富士はつふじを豊かに入れて初御空はつみそら ハードエッジ

むらさきせいも遊びし双六すごろくぞ ハードエッジ

ペン先の玉ころがして初日記 ハードエッジ

ユニクロの袋にせる破魔矢はまやかな ハードエッジ

◎初案50句

制作順:

冷奴豆腐もとより無位無冠 ハードエッジ
里は丸く山は長しよ芋の秋 ハードエッジ
難しき漢字は避けてカキフライ ハードエッジ
紫も清も遊びし双六と ハードエッジ
凍豆腐大豆の色に戻りけり ハードエッジ

広島も長崎も炎天下なり ハードエッジ
山火事に超然として大瀑布 ハードエッジ
みんな家中電気で動く冬籠 ハードエッジ
シャクシャクと水の硬さよ梨噛る ハードエッジ
石投げて池を割りをる寒さかな ハードエッジ

雑草の高々枯れて植木鉢 ハードエッジ
動の竹に静なる石や添水鳴る ハードエッジ
白鳥の母国は雪のユーラシア ハードエッジ
ミサイルの今は冷たき筒の中 ハードエッジ
電柱の柱は丸し春燈 ハードエッジ

かりそめの鯖や鰯や秋の雲 ハードエッジ
冬眠の叶はぬ雀庭に来る ハードエッジ
半袖の炊事、洗濯、掃除かな ハードエッジ
入学の教室のみな見ず知らず ハードエッジ
惜しげなく栗を潰してゐたりけり ハードエッジ

本堂も仏も枯れて静けさよ ハードエッジ
縦書の均等割の涼しさよ ハードエッジ
渋柿も甘柿もなし鳥集ふ ハードエッジ
水鳥の真つ赤に冷えた脚二本 ハードエッジ
羽撃かぬ想像力と冬籠 ハードエッジ

東京に関東に初茜かな ハードエッジ
シンバルの金色の音宝船 ハードエッジ
雛壇といふ階級の差のあからさま ハードエッジ
きらきらとプロモーションの時雨かな ハードエッジ
寒風の寂しくなれば戸を叩く ハードエッジ

蟷螂の硬きは頭柔な腹 ハードエッジ
アラビアを行くタンカーの日永かな ハードエッジ
春昼の綱、繩、コード、紐と糸 ハードエッジ
春著縫ふ針の喜び糸を引く ハードエッジ
ハシゴダカもPC任せ賀状書く ハードエッジ

絡まつて螢の軌跡闇に消ゆ ハードエッジ
下向きに大きく咲きぬ砂日傘 ハードエッジ
去年の砂かへす今年の砂時計 ハードエッジ
春の野に手を振る電車来りけり ハードエッジ
寒晴や壁一枚の残る家 ハードエッジ

ユニクロの袋共々着膨れて ハードエッジ
初富士を豊かに入れて初御空 ハードエッジ
ボールペンの極小の玉淑気かな ハードエッジ
少しづつ山は崩れて春の雨 ハードエッジ
穭田に諦めの色なかりけり ハードエッジ

古書店に新刊はなし春の雪 ハードエッジ
新旧の少し離れし鵙の贄 ハードエッジ
氷山の地下深くあるマグマかな ハードエッジ
囀りの挙りて囃す夜明けかな ハードエッジ
日本語といふOSの暖かし ハードエッジ

◎推敲句一覧/pdf

最終稿50句/推敲総数361句
全361句/7枚

角川俳句賞 2020 プランA 推敲一覧

◎A4推敲 原稿/pdf/締切直前行方不明

全46枚

角川俳句賞 2025 プランA A4推敲 原稿

 

◎A4推敲 加筆/pdf/締切直前行方不明

全48枚

角川俳句賞 2025 プランA A4推敲 加筆

 

◎葉書俳句表側

 

◎データベース画面/桐v10

 

◎全然堂本店 落選俳句館 角川俳句賞

最新版はこちらです

◎落選葉書一覧リンク

DuckDuckGo 検索:
最新版はこちら

Google検索:
最新版はこちら

以上です