全然堂歳時記 秋の部
【流れ星】ながれぼし
流星=りゅうせい
流星や生れたるものは水にぬれ
※生れたる=あれたる
流星や秘かに然と蒙古斑
※秘かに=ひそかに、然と=しかと、蒙古斑=もうこはん
音もなく時は流れて流れ星
口笛を吹くや流星来りけり
流れ星ただ一筋に消ゆるかな
澄む水に数多の星を滴らせ
※滴らせ=したたらせ
流星や柱の中に錆びし釘
※錆びし=さびし、釘=くぎ
流星や破つて減らすカレンダー
流星に長き手紙となりにけり
流星や二段ベッドの上が好き
夜なべする人の居眠り流れ星
子が眠り母が眠りて流れ星
流星に神の剣の深眠り
盗人に古墳あやふし流れ星
※盗人=ぬすびと、古墳=こふん
以上です