るりるりと天をくすぐる雲雀かな ハードエッジ
新涼の胸くつろげてありにけり 川崎展宏
蚯蚓鳴く寂しさに身をくねらせて ハードエッジ
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和語俳句 【す】 葉先より指に梳きとる螢かな 長谷川櫂
雷激し浴後の髪を梳きをれば 館岡沙緻
流燈の岸辺の草を擦ることも 藺草慶子
惜しみなく地擦る束帯時代祭 西本一都
和語俳句 【ち】 手花火の明りに昼と違ふ庭 利普苑るな
従姉妹とは一つ違ひや花衣 星野椿
牡丹の色違へども蘂の金 川崎慶子
すれ違ふ寒鯉に渦おこりけり 岸本尚毅
和語俳句 【に】 水にじむごとく夜が来てヒヤシンス 岡本眸
点々と田を濁らせて植ゑ進む ハードエッジ
にじみ出てやがて一つや汗の粒 如月真菜
埋火やつひには煮ゆる鍋の物 与謝蕪村
和語俳句 【は】 百千鳥雌蕊雄蕊を囃すなり 飯田龍太
年の瀬や続く天気にはげまされ 星野立子
数ふるははぐくむに似て手毬唄 片山由美子
寒の字のとれて雀のよく弾み 横井理恵
ペアリング19 春たのしなせば片づく用ばかり 星野立子
暑き故ものをきちんと並べをる 細見綾子
一斉に見えぬもの指す踊かな 夏井いつき
曼珠沙華食ひちぎられしごとくなり 長谷川櫂
ペアリング１ 春の月大輪にして一重なる 長谷川櫂
わが鬱の淵の深さに菫咲く 馬場駿吉
紫陽花は気圧の谷に咲くといふ ハードエッジ
三味線や寝衣にくるむ五月雨 宝井其角
荒星や毛布にくるむサキソフォン 攝津幸彦
ペアリング５ ふるさとの月の港をよぎるのみ 高濱虚子
貝割菜のきれいに曇る袋選る 中村和弘
ごみぶくろ枯葉の息にくもりけり 清水良郎
葱長きビニール袋くもりけり 長谷川櫂
開発素句報 2017-06 赤々と金魚の夢は何ならむ
水底に暑さ忘るる豆腐かな
人魂も涼みに来れ蚊遣香
火も人も裸なりけり夜の海
開発素句報 2017-07 食べ盛り遊び盛りの涼しさよ
神々の隆々たるや雲の峰
身を投げて溺るる如し籐寝椅子
夕焼に促されつつさやうなら
ペアリング６ ゆくゆくはわが名も消えて春の雪 藤田湘子
コピーして赤はグレーに昭和の日 山田露結
畳まれてひたと吸ひつく屏風かな 長谷川櫂
湯豆腐や死後に褒められようと思ふ 藤田湘子
和語俳句 【も】 もつれつゝとけつゝ春の雨の糸 鈴木花蓑
もてあそぶ火のうつくしき時雨かな 日野草城
戀の字の糸のもつるる試筆かな 鷹羽狩行
獅子舞や蝶もつれあふごとくにも 長谷川櫂
開発素句報 2017-12 白粉の花の紅白種黒く
明日はもう市民プールの最終日
白粉花の種を零しつ咲き続く
改、豊年のお稲荷さんに稲荷ずし
【大いなる】 春の浜大いなる輪が画いてある 高濱虚子
春泥を来て大いなる靴となり 上野泰
大いなる身をはばからず寝釈迦かな 長谷川櫂
蜂の巣の甕の如くに大いなる 瀧澤伊代次
春 【桜餅】 丸善に檸檬わが家に桜餅 ハードエッジ
ひもとけば重箱ふたとれば桜餅 ハードエッジ
うす紅の中の暗黒桜餅 ハードエッジ
歯に当ててぱりりと音や桜餅 ハードエッジ
【水輪】 とんぼうや水輪の中に置く水輪 軽部烏頭子
鯉の色水輪ににじむ花の雨 長谷川櫂
牡丹を大きな水輪かと思ふ 田中裕明
朝顔は水輪のごとし次ぎ次ぎに 渡辺水巴