童女かがみ尿ほとばしる麦の秋 西東三鬼
手花火の火は水にして迸る 山口誓子
寒椿師を悼む句を褒められぬ 草間時彦
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
動詞限定で、和語=訓読み=大和言葉を含んだ俳句です
童女かがみ尿ほとばしる麦の秋 西東三鬼
手花火の火は水にして迸る 山口誓子
寒椿師を悼む句を褒められぬ 草間時彦
永き日の睡魔にまさる朋ありや 糸大八
神々の力任せの雲の峰 ハードエッジ
冬菊のまとふはおのがひかりのみ 水原秋櫻子
厄介や紅梅の咲き満ちたるは 永田耕衣
花満ちて玉の如くにふるへをり 岸本尚毅
膝に来て模様に満ちて春着の子 中村草田男
雲水の蛇口むさぼる炎暑かな 生田力丈
蝉の腹八分目ほど蝕まれ ハードエッジ
熱湯をむさぼりこぼす湯婆かな 西島麦南
白滝に召さるるごとく近づきぬ 西宮舞
手に取つて素足を愛づる赤子かな ハードエッジ
もてあそぶ火のうつくしき時雨かな 日野草城
戀の字の糸のもつるる試筆かな 鷹羽狩行
獅子舞や蝶もつれあふごとくにも 長谷川櫂
分割/2018.2.8、捩る/2017.12.21、2017.8.26 更新 ◎和語俳句、や行の「や」です →「ゆ」 →「よ」 ◎養ふ=やしなう 鬼の豆嚼みて気力を養へり 相生垣瓜人(あいおいがき・かじん)
庖丁も厨もゆだね桜鯛 中村汀女
揺らぎ見ゆ百の椿が三百に 高濱虚子
ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに 森澄雄
画用紙の汚れやすさよ地虫出づ ハードエッジ
薄暑来ぬ人美しく装へば 星野立子
千年の命よぢれて藤枯るる 高橋悦男
蝶が蝶に出遇ふしばらく花忘れ 鈴木鷹夫
雪の降る町といふ唄ありし忘れたり 安住敦
湯上りの蜜柑忘るな柚子買うて ハードエッジ