打水をけふは神輿の男らに
子規の忌の糸瓜・鶏頭・柿の鐘
一堂に姫や坊主や歌留多会
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
打水をけふは神輿の男らに
子規の忌の糸瓜・鶏頭・柿の鐘
一堂に姫や坊主や歌留多会
縦横に水羊羹の詰め合せ
地下鉄が闇を押し行く赤い羽根
落葉道長き小枝を拾ひけり
初夏のガードレールの緑色
夜明けなり決死の蝉が穴を出づ
ほんまやなものの五分で蟻たかる
蝶が舞ふパンもケーキも無き寺に
蟻の道お天道様が見てをられ
きゆつと鳴く踏んで幼き霜柱
坂道を春一番の子が駆ける
開かれて鯵は干物に花は葉に
病院も駅も夜長の灯を点し
あと一つ咲けば百なる白椿
筍や客人はまだ寝てをられ
柿たわわ日本の村の滅びつつ