庖丁も厨もゆだね桜鯛 中村汀女
揺らぎ見ゆ百の椿が三百に 高濱虚子
ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに 森澄雄
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
庖丁も厨もゆだね桜鯛 中村汀女
揺らぎ見ゆ百の椿が三百に 高濱虚子
ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに 森澄雄
画用紙の汚れやすさよ地虫出づ ハードエッジ
薄暑来ぬ人美しく装へば 星野立子
千年の命よぢれて藤枯るる 高橋悦男
夕焼や餓ゑて綺麗な肋骨
夕立に洗ひたてたる夕焼かな
ああああとサイレンの鳴る夕焼かな
春泥を来て大いなる靴となり 上野泰
大いなる身をはばからず寝釈迦かな 長谷川櫂
蜂の巣の甕の如くに大いなる 瀧澤伊代次
美しき冷えをうぐひす餅といふ 岡本眸
美しき水の一村つばくらめ ハードエッジ
美しきものにも汗の引くおもひ 後藤比奈夫
婚の荷をひろげるやうに雛飾る 猪俣千代子
足もとはもうまつくらや秋の暮 草間時彦
秋風の日本に平家物語 京極杞陽
雲一つなくてまばゆき雪解かな 久保田万太郎
雲あれど無きが如くに秋日和 高濱虚子
青空に雲一つなき冬至かな ハードエッジ
子鯨も乳呑むころか朧月
白狐もとより踊上手なり
女の神も乗せて目出度し宝船