天井に届く悲しみ涅槃絵図 ハードエッジ
こときれてなほ邯鄲のうすみどり 富安風生
うすうすとしかもさだかに天の川 清崎敏郎
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
天井に届く悲しみ涅槃絵図 ハードエッジ
こときれてなほ邯鄲のうすみどり 富安風生
うすうすとしかもさだかに天の川 清崎敏郎
東京タワー海より見ゆる夏料理 ハードエッジ
牡蠣すするわが塩味もこれくらゐ 正木ゆう子
灯の鋲の東京タワー年の暮 鷹羽狩行
茄子漬の色移りたる卵焼 藤井あかり
ほほづきのぽつんと赤くなりにけり 今井杏太郎
寒卵割つて明るい春を待つ ハードエッジ
遠浅の水清ければ桜貝 上田五千石
柔かく女豹がふみて岩灼くる 富安風生
泥に降る雪うつくしや泥になる 小川軽舟
桜貝握り拳に匿へり ハードエッジ
夏草に延びてからまる牛の舌 高濱虚子
恋をしてからびし蚯蚓かもしれず しなだしん
初蝶を苛む風となりにけり 西宮舞
山百合を捧げて泳ぎ来る子あり 富安風生
悴める掌を包みやり諭しけり 西村和子
続き咲く花に初花紛れゆく 中本真人
この鍵で錠ひとつあく星の秋 池田澄子
葱さげて家路の人となりにけり ハードエッジ