あたたかや鳩の中なる乳母車 野見山朱鳥
亜米利加が眩しき頃のクリスマス 鎌田保子
初空のなんにもなくて美しき 今井杏太郎
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
あたたかや鳩の中なる乳母車 野見山朱鳥
亜米利加が眩しき頃のクリスマス 鎌田保子
初空のなんにもなくて美しき 今井杏太郎
茄子漬の色移りたる卵焼 藤井あかり
ほほづきのぽつんと赤くなりにけり 今井杏太郎
寒卵割つて明るい春を待つ ハードエッジ
永き日やばふうと深き牛の息 鈴木牛後
稲妻や浪もてゆへる秋津洲 与謝蕪村
信心はさめることなき湯婆かな 増田龍雨
海に入ることを急がず春の川 富安風生
かしこげに首を傾げて子猫かな 長谷川櫂
椿落ちて昨日の雨をこぼしけり 与謝蕪村
紐解いて枝ひろがるや桃の花 長谷川櫂
あかあかと日は難面くも秋の風 松尾芭蕉
草の根の蛇の眠りにとどきけり 桂信子
みえてゐて遠き海かもつくし摘む 木下夕爾
みつまめをギリシャの神は知らざりき 橋本夢道
長き夜のところどころを眠りけり 今井杏太郎