遠浅の水清ければ桜貝 上田五千石
柔かく女豹がふみて岩灼くる 富安風生
泥に降る雪うつくしや泥になる 小川軽舟
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
遠浅の水清ければ桜貝 上田五千石
柔かく女豹がふみて岩灼くる 富安風生
泥に降る雪うつくしや泥になる 小川軽舟
かげろふと字にかくやうにかげろへる 富安風生
歌ひつつ聖夜にふらす雪つくる ハードエッジ
西ふけば東にたまる落葉かな 与謝蕪村
ほほといふ口して三人官女かな 高田正子
現し世の砂美しや蟻地獄 ハードエッジ
漱石が来て虚子が来て大三十日 正岡子規
一面に合唱団のごと芽吹く ハードエッジ
つきささるやうな照明パンジーに 岸本尚毅
アイスコーヒー上より薄くなりゆける 上田信治
コピーして赤はグレーに昭和の日 山田露結
畳まれてひたと吸ひつく屏風かな 長谷川櫂
湯豆腐や死後に褒められようと思ふ 藤田湘子