桜貝握り拳に匿へり ハードエッジ
夏草に延びてからまる牛の舌 高濱虚子
恋をしてからびし蚯蚓かもしれず しなだしん
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
桜貝握り拳に匿へり ハードエッジ
夏草に延びてからまる牛の舌 高濱虚子
恋をしてからびし蚯蚓かもしれず しなだしん
残雪を軋ませつ摘む蕗の薹 篠田悌二郎
汽車長くきしみて止る夏山峡 細見綾子
歳月に鉾の車輪の軋むかな ハードエッジ
るりるりと天をくすぐる雲雀かな ハードエッジ
新涼の胸くつろげてありにけり 川崎展宏
蚯蚓鳴く寂しさに身をくねらせて ハードエッジ
蠅打つていさゝか穢す団扇哉 高井几董
秋雨に焚くや仏の削り屑 高桑闌更
死神を蹴る力なき蒲団かな 高濱虚子
地虫出て目をこするさま人の子なら 加藤楸邨
寝転ぶに春の証の腕まくり ハードエッジ
がりがりとこする音して鹿のゐる 岸本尚毅