ひるねしてみんなぐうぐうねましたと
庭先に水着吹かるる昼寝かな
昼寝覚この世が雨に煙りをる
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
ひるねしてみんなぐうぐうねましたと
庭先に水着吹かるる昼寝かな
昼寝覚この世が雨に煙りをる
万緑に光合成の今や旬
炎天をスポーツカーの真つ赤なり
水は清きわが故郷に帰省かな
香水の後を黒衣の揚羽蝶
香水や両肌脱ぎの夜会服
香水の瓶を融かして何作ろ
冠に二つ火のある螢かな
連絡船は磁気嵐とや螢の夜
螢火の歓喜観音様来る
せめてもの打水を打ち重ねたり
打水を固き大地が吸ひ込みぬ
打水の最中一天かき曇り
旅に良し家居また良し薄暑かな
通り雨薄暑疑ひなかりけり
軽暖のオープンカフェに人を待つ
若葉とは日に透きとほる薄みどり
ぶらんこに子らを遊ばす若葉かな
既に花終へし木もある若葉かな
傘の骨ぐいと曲げたる梅雨入かな
梅雨深く書類に印を点じたる
横にして傘をバサバサ梅雨の日々