本箱に手の届かざる炬燵かな 会津八一
ざつくりと割れたるものを闇汁に 岸本尚毅
店の灯の明るさに買ふ風邪薬 日野草城
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
本箱に手の届かざる炬燵かな 会津八一
ざつくりと割れたるものを闇汁に 岸本尚毅
店の灯の明るさに買ふ風邪薬 日野草城
長き夜を線香の火の沈みゆく
長き夜の胡麻を圧して胡麻油
而して頁を捲る夜長かな
豆腐屋に大豆ふくるる春の月 ハードエッジ
柿若葉豆腐ふれあふ水の中 長谷川櫂
色付くや豆腐に落ちて薄紅葉 松尾芭蕉
水底に暑さ忘るる豆腐かな
人魂も涼みに来れ蚊遣香
火も人も裸なりけり夜の海