続き咲く花に初花紛れゆく 中本真人
この鍵で錠ひとつあく星の秋 池田澄子
葱さげて家路の人となりにけり ハードエッジ
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
好対照の俳句。どこを押さえてどこを展開するか。
続き咲く花に初花紛れゆく 中本真人
この鍵で錠ひとつあく星の秋 池田澄子
葱さげて家路の人となりにけり ハードエッジ
貝割菜のきれいに曇る袋選る 中村和弘
ごみぶくろ枯葉の息にくもりけり 清水良郎
葱長きビニール袋くもりけり 長谷川櫂
コピーして赤はグレーに昭和の日 山田露結
畳まれてひたと吸ひつく屏風かな 長谷川櫂
湯豆腐や死後に褒められようと思ふ 藤田湘子
ランドセルに吊るす四月の定期券 清水良郎
麦秋のソースじやぶりとアジフライ 辻桃子
冬の水一枝の影も欺かず 中村草田男
婚の荷をひろげるやうに雛飾る 猪俣千代子
足もとはもうまつくらや秋の暮 草間時彦
秋風の日本に平家物語 京極杞陽
猫の子のひとり遊びを見てひとり 細川加賀
丸善に檸檬わが家に桜餅 ハードエッジ
手袋をとりたての手の暖かく 星野立子