カテゴリー: 開発素句報 2020

2020年発行の開発素句報

その葉書俳句、全６枚の画像

大いなるものはゆるりと初日の出

人々の歩みゆくなり初詣

歳時記の古きを開く淑気かな

初刷にがばりと富士やインクの香

アルバムにもう懐しや初写真

正月を遊び尽して目出度けれ

ここに駅つくれと吹雪く関ヶ原

昼月や蜜柑に淡き花の跡

ノックして芯を出すペン春近し

人々に見られて虹の美しや

積み上げし積木涼しく崩れたり

四本の弾力に立つ鹿の子かな

墨書太々夏痩と言ふ便り

髪洗ふ姫君月へ帰るべく

金魚ゆらゆら母船を待つてゐるやうな

白妙の入道雲や船の旅

ぱかと開く缶ペンケース夏の蝶

しみじみと月のなき夜の月見草