薫風に赤子の髪の逆立てる
爺婆の白髪めでたし七五三
黒髪の長からねども歌留多会
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
薫風に赤子の髪の逆立てる
爺婆の白髪めでたし七五三
黒髪の長からねども歌留多会
長き夜を線香の火の沈みゆく
長き夜の胡麻を圧して胡麻油
而して頁を捲る夜長かな
蛇食ふと聞けば恐ろし雉子の声 松尾芭蕉
金銀の卑しき蠅の集りをる ハードエッジ
子の尿の燦燦として山眠る 押野裕
もやもやと老人のゐる夏祓 小原啄葉
にせものときまりし壺の夜長かな 木下夕爾
埋火やつひには煮ゆる鍋の物 与謝蕪村
茄子漬の色移りたる卵焼 藤井あかり
ほほづきのぽつんと赤くなりにけり 今井杏太郎
寒卵割つて明るい春を待つ ハードエッジ
申し訳なささうな黄を青蜜柑
菊の香のつんと神代の昔かな
一年で果つる虫草秋の風