あたたかや鳩の中なる乳母車 野見山朱鳥
亜米利加が眩しき頃のクリスマス 鎌田保子
初空のなんにもなくて美しき 今井杏太郎
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
あたたかや鳩の中なる乳母車 野見山朱鳥
亜米利加が眩しき頃のクリスマス 鎌田保子
初空のなんにもなくて美しき 今井杏太郎
初恋のあとの永生き春満月 池田澄子
残暑とはショートパンツの老人よ 星野立子
飲めるだけのめたるころのおでんかな 久保田万太郎
東京タワー海より見ゆる夏料理 ハードエッジ
牡蠣すするわが塩味もこれくらゐ 正木ゆう子
灯の鋲の東京タワー年の暮 鷹羽狩行
城若葉ホテルは濠を隔てたる ハードエッジ
郭公や母と谺をへだて住む 今瀬剛一
人減りし村に氷柱の数減らず 高木嘉久
猫の子のひとり遊びを見てひとり 細川加賀
丸善に檸檬わが家に桜餅 ハードエッジ
手袋をとりたての手の暖かく 星野立子